silver, silver, silver 6/23より。

先ほどまでHNKで去年のウィンブルドンの様子を放映していました。今年ももうすぐ始まります。
ヴィーナスウィリアムスが優勝し、飛びはねて喜び、優勝プレートを高く掲げた画像は当時多く取り上げられました。
あの大きなプレート、名前をVenus Rosewater Dish(女神が持つバラの香りの皿)といい、1870年代ごろにバーミンガムのElikingtonが製作したのだそうです。まるでヴィーナスが持つために用意されたような名前です。

去年、アメリカの何かの雑誌を読んでいたら、面白い記事がありました。クリスエバートのインタヴュー。

「あら、ヴィーナスは前にもあのお皿を持ち上げたことがあるのよ、だって、10歳の時に私の家に父親と遊びに来て私のもらったプレートを持ち上げて、絶対これがほしい、と言っているところを父親が写真を撮っていたもの、でも、貰って家に置いてあるのはレプリカだから少し小さいし、フランス製のピューターにメッキだけれど。」

ウィンブルドンの優勝杯でも、実際に選手に渡す物はメッキなのを知り、安心と失望が半々です。
ヴィーナスを見る度に、アフリカの西海岸を連想し、何百年めかのリベンジ、と考えるのは私だけでしょうか。
奴隷海岸、黄金海岸、象牙海岸、、、、、

先日ここでお話したフィッシュセットが一昨日届きました。仕入れた親類からの話では
「ハンドルは骨材。象牙という話だけれど、象牙にしては値段的に安かったから、多分、骨だね」。少々嫌な予感がしました。
的中でした。ああ、人造象牙。貝のように割れず、象牙のように黒ずまず、綺麗で良いけれど面白味に欠けます。

「だって、フレンチアイボリーって聞いたもの。仏領で捕獲したのを持ってきたと思うでしょ。」

。。。アメリカ人の業者だったら、分かりやすくマンメイド、という言葉を使うでしょうに。人に物を頼むのはなかなか難しいです。
それにしても、イギリス人はことあるごとに、フランスと比較して、蔑むような気がします。
この話を電話で友人にすると、

「あら私フレンチアイボリーって、フランス人はグリーンピースみたいな団体があるから動物愛護の意味で人造、だと思ってたわ」

人によって、連想は違うからこそ面白い、と真に思います。

さて、この二つのセット、予定したよりかなり低い価格で売らなければ。
状態の良い素敵なセットなのだけれど。