全体。
大変大きいサルバですので、かなり大きいティーセットも十分載ります。
何かを載せてしまうと彫りは見えなくなりますが、全体が花型の造りですので大変見栄えがします。
使用しない時は飾り皿としてお使い下さい。

ブライトカット部分全体。
ヴィクトリアン中期独特の甘い薔薇の花綱のブライトカットが全面に彫られています。
ボーダーは古典的なビーズ装飾で、ベルト状の細かい模様と星型の彫り、スクロールの柔らかい脚、花型の形、どれをとっても優雅なイメージです。


縁の繊細な模様と星型、薔薇の花綱のブライトカット。

中央部賛辞部分と薔薇のブライトカット。

中央部分の賛辞にも歴史を感じます。

まず、真ん中はヴィクトリアンの書体で、アルフレッド・ストークスという人物が教会関係の学校(大学の一部と思われます)に大きな寄付をしたので、その記念として学校側から1877年にこの銀盆が贈られた、とあります。またその周りを囲むように、エドワーディアン独特の四角張った文字で、1903年5月19日、アルフレッドの姉から、アルフレッドの友人ジェームズ・スティーブンスにこの銀盆を贈る、との彫りがあります。

これほど立派な銀盆を贈られるアルフレッドのした寄付は大きな物だったでしょうし、アルフレッドなき後にこれを贈られたジェームズとの友情はすばらしいものだったのでしょう。

脚の部分。スクロールスタイルで、典型的なヴィクトリアンです。

刻印部分。デューティーマーク(ヴィクトリア女王)、ライオンパサント(英国純銀925)、メーカーズマーク(FE),バーミンガム(錨)、イヤーマーク(1877)